夏、フランスの北西、ブルターニュへの旅 2013.06.17
  ブルターニュの雑貨メモ
                   
 ブルターニュは、夏のヴァカンスの頃が最もにぎわう季節。同じ海沿いでも、地中海岸はスノッブな人たち向けで、庶民的なヴァカンス地といえばブルターニュが定番だ。

 最初に訪れたのは、それなりに暑かったけれど、ヴァカンスで混み合う前か、その直後だったと思う。スイーツが大好きな友人と2人の電車の旅。目的は、濃いバターをふんだんに使ったブルターニュ菓子。本場のすばらしいそば粉のガレットやクレープ。そして、この地方の焼きもの、カンペール陶器を見に行くことだった。

ストライプの小屋は海辺の簡易カフェ
 

ブルターニュの教会      クイニー・アマン

カンペール陶器         ブルターニュのレース
 海やマリンの縞のシャツのイメージが強いブルターニュは、フランスでもブルーで表現されることが多い。私がアルザスの本と対で購入した本の装丁も、美しいマリンブルーの布張りだった。

 マリ・クレール・イデ主催だったか、パリの手芸展示会で購入したブルターニュのレースもまた、コワフ(ブルターニュの民族衣装で女性がかぶるレースの帽子)に似た愛らしいモチーフだったから、記憶に留めておきたいような風景、未だ見ぬ形や色への期待感が大きく膨らんでいた。

Faïence de Quimper/カンペール陶器
ブルターニュ地方の中でも最西端に位置するフィニステール県にある街、Quimper(カンペール)で、1690年から作られ続けている歴史の長い陶器。熟練された技を持つ職人がひとつひとつ丁寧に絵つけをほどこすため、陶器ながら磁器に負けない価値がある。特に古いものは、本国でもコレクターが多い。ソフトな白地に、ブルターニュの民族衣装を着た人、花や鶏など、鮮やかな色で描かれている。
         
 パリのモンパルナス駅からブルターニュ地方の主要都市レンヌ。それから、パリ=ブレストというリングシュウの名前にもなっている西の果ての港町ブレストへと向かう。ブレストでは、格子模様が入ったGateau breton(ガトー・ブルトン)やバターと砂糖がカラメルのようにまとわりついたKouign-amann(クイニー・アマン)、さくらんぼのクラフティに似た弾力のある焼き菓子のFar breton(ファー・ブルトン)が、レンヌで見たよりもずっと素朴で、いかにも郷土菓子というふうな顔をして並んでいたのが印象的だった。ブレストに寄ったのは、そこから数キロ離れたところにあるプルガステルを訪れたかったから。プルガステルは知る人ぞ知るいちごの産地で、いちご美術館なるものが存在している。建物は思ったよりもモダンだったが、この村で開かれるいちご祭のポスター、いちごのラベルやいちごを詰めるカゴ、この地方の民族衣装などが展示してあってたいそうかわいかった。
いちご祭りのポスター       カンペールの陶器屋さん
 

                   
 

クレープレストラン       屋台式のクレープ屋

特産品のそば粉        バター広場の看板
 陶器の街カンペールでは、そば粉のガレットをいただく。これは今でも私の中のキング・オブ・ガレットだ。それをいただいたクレープリー(クレープレストラン)は街の親切な陶器屋さんが教えてくれた。店内は少し焦げたバターの香りが充満していた。レースみたいに広がって焼けたガレットがすごくおいしそうだったので、フィリングはシンプルにハムと卵を。ちょうど座った席から焼くところが見えた。そば粉が混ざったグレーっぽい生地を、ところどころ鉄板の黒い部分が見えるくらいに、薄く薄く広げる。アッという間に縁がパリパリッとなって見事なスクエアに折られていく様子は、ずっと見ていても飽きなかった。

 カンペールといえば、クレープリーを探していて偶然、見つけたとっておきの場所がある。クレープリーが集まる石畳の小さな広場、Place du Beurre (プラス・デュ・ブール)。バター広場なんてかわい過ぎる。この広場の名前をつけた人に拍手を送りたい。ブルターニュの旅の一番の思い出は?って聞かれたら、今の私は間違いなく「バター広場を見つけたこと」って答えると思う。
Coiffe bretonne/ブルターニュのコワフ
コワフとは「田舎の婦人帽子」つまり民族衣装で頭につけるかぶりもののことを指す。中でもブルターニュ地方のコワフは有名だ。レース仕立てで、ブルターニュの中でも地域でデザインが異なる。特にビグダン地方のコワフは、縦に長い筒状になっていて、レースのディテイルがきれいに見える愛らしいデザインになっている。
                   
                   
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