vol.8 夏のパリの定番サラダ ―宮脇誠さんの台所から―
texte & photo : アトランさやか
今回は、パリと東京を行き来する骨董屋さん、宮脇誠さんにフランスのアンティーク事情やパリ生活について聞いてみました。宮脇さんの住まいはパリの中でもひときわ美しい地区、サン・ジェルマンにあります。数々のブティックやビストロ、センスのいいギャラリーが軒を連ねる場所ですが、そんな中にもぽつんと食料を購入できるお店がちゃんとあるのはパリのいいところ。    
この隣には素敵なビストロDa Rosaが キヨスクのファサードもどこかお洒落
    宮脇さんの住むアパルトマンは18世紀のもの。木の梁が漆喰の壁からのぞき、つくりだけを見るとまるで山小屋に来たかのよう。存在感のある暖炉は現役で、冬になると火をつけるそうです。骨董屋という仕事柄、部屋には様々な国や時代の素敵なオブジェが何気なく置かれています。ヴァンヴの蚤の市には初荷(ウブニ=市場に出たばかりのもの)が多いので毎週行くのだそう。
フランス好きはお酒好きも多いのです 60年代ディズニーの101匹ワンちゃん
  料理の腕も評判の宮脇さんですが、本格的に好きになったのはパリに来てからだといいます。ヴァンヴの蚤の市の隣では日曜日にマルシェも開いているので、新鮮な野菜を買って帰ることもよくあるそう。メインには、フランスで過ごすときは肉が中心。塊の肉に塩を振って軒先で干す、なんて芸当もパリで覚えたことのひとつ。逆に、日本に帰ると新鮮な魚料理を楽しみます。  
美味しそうな自家製ピクルス 光がたくさん入る快適なキッチン
    フランスと日本を往復する生活をするようになってから7年経った今ではたいていのことには驚かなくなったそうですが、今でもパリの美しさにはしょっちゅう感動しているのだとか。生活がしやすい街のサイズや、個性的な友人達との刺激的な交流など、パリの魅力は尽きることがないよう。そして、日本が恋しくなる頃には、たくさんの収穫をもって東京へと向かいます。
手際よくパセリを切っていく ご自分で壁にしつらえた棚
取材の日は、「タブレ」をつくっていただきました。このサラダは、スムールというデュラム小麦の粒をベースにしたサラダ。もともとは北アフリカの料理ですが、今ではすっかりフランスの定番サラダです。スムール100gに約100ccのぬるま湯をかけて蒸らし、そこにレモン半個分の絞り汁、大さじ1杯のオリーブオイル、塩・コショウします。そこにトマト1個〜2個を細かく切ったものを加え、パセリやミントのみじん切りをたっぷり散らしたら出来上がり。これを一日くらい寝かせると、味が落ち着き、しっとりとした美味しいサラダになります。作り方はいたって簡単ですが、そこに何枚か香りのいいエストラゴンやシナモンを加えるのが宮脇流。オリエンタルな香りのするこんな爽やかなサラダは、夏のピクニックでも皆が飛びつく定番のお惣菜です。
■古道具やパリの生活などについて、宮脇さんのブログはこちらhttp://miyawaki.exblog.jp/
 
イタリアン・パセリが一束たっぷり入る

<次回>vol9. 花市へ行けば心も躍る  ―一番ロマンチックなマルシェとは―

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