vol.2 マルシェ・ファッション −マルシェに行くにはかたちから−
texte & photo : アトランさやか

うきうきと買い物をするために欠かせないのがマルシェ・ファッション。と言っても、私のそれは「ファッション」と名づけるのが申し訳ないような、いつものジーンズにいつものスニーカーなのですが。大事なのは「買い物しなきゃ」と思うのではなく、「さて、美味しいものを探しに行こう」という高揚感なのかもしれません。そうすると、不思議なことに、服もなんとなく綺麗に着られるような気がします。ルールなんてないけれど、あえて言えば、気をつけるべきポイントは、冬場は、足元を温かくすること。順番に食材を選んでいると1時間くらいは簡単に過ぎてしまうので、靴下は2枚重ねにしてしまいます。マルシェでは、買い物を注文するまでに列に並ぶことが多いので、足元がとにかく冷えるのです。

[写真1 さすがに靴下は履いてないけど、犬ももちろんしっかり防寒対策。]

 
  休日に行くマルシェでは、髪をゆるりと束ねたり、スカーフを巻いたりするのが気分。美しいスカーフをさりげなく巻いているマダムや可愛らしいおばあさんは、なんとなくマルシェの商人たちにも尊敬されているような気がします。余談ですが、おじいさんやおばあさんにとってマルシェは出会いの場だと聞いたことがあります。丁寧にお化粧をしているおばあさんや、ぱりっとしたジャケットを着ているおじいさんを見かけると、「誰かお目当てがいるのかしら」などと、勝手な想像をしてしまいます。マルシェは、毎日の食生活を支える場であると同時に、人と人とが触れ合う貴重な時間でもあるのです。もともとおしゃべり好きなフランス人の国民性のおかげでしょうか、フランスには自動販売機はあまりありませんが、マルシェ文化は他のどの国と比べても盛んです。

[写真2 笑顔が最高のおばあちゃん。きっと、お家には常に生花が飾られているのでしょう。]
さてさて、自分なりのマルシェ・ファッションに身を包んだ後は、持って行く籠などを選びましょう。マルシェでは、レトロな絵がついた紙袋に野菜や果物をぽんぽんとリズムよく入れてくれます。

[写真3 ここのスタンドはセルフ・サービス。可愛い袋があると思わず余分にもらいたくなってしまう。]
   
    籠に入った野菜や果物、チーズや卵は、スーパーの袋にぎゅうぎゅう詰められた食品よりもなんだか幸せそう。我が家では、友人からもらった明るい色のアフリカ産の籠を愛用しています。

[写真5・6 取っ手のグニャっとした感触が気持ちいいこの籠はピクニックにも大活躍。]
  我が家は大家族ではないので、籠と大きめのバックで事足りてしまいますが、お客さんが来るときのためと、お買い物がもっと楽しくなるように近々カートを購入するつもりです。約40リットルは入るこのカート、色や柄など沢山種類があります。そういうわけで、マルシェに行くと、好物のラディッシュやクレソンなどを注文しつつ、カートを持っている人につい目が泳いでしまうのです。
[写真8 赤いカートと栗色チェックの帽子がお洒落なおじいちゃん。]
 

<次回>vol3. 楽しいお買い物 〜本格ビーフ・シチューをつくるには〜

バックナンバー