vol.21「輝いた空間の中で」


 仕事を始めて数日間、私は慣れないことに焦ってばかりいました。何をしたらよいのかがわからず、気持ちだけが先走っていたのです。私が“グラス磨き”をすることになったのはそんな時でした。
 店内に並んでいるたくさんのグラスたち。その中で少し曇っていたトゥジュールグラスから磨くことにしました。グラス用のリネンでひとつひとつ丁寧に磨いていると、少しずつ気持ちが落ち着いてきて、さっきまでの緊張感が嘘のように消えていきました。その瞬間、私はキャトル・セゾンのスタッフとして初めて、商品と向き合えたように感じ、これからここで商品やお客様と関わっていくことが楽しみになりました。
 それ以来、落ち着いて周囲を見渡すことができるようになり、店内の時間がゆったりと流れる中で、すべてが生き生きと輝いているように見えてきました。そして、私もそんな空間を創る一人としてここに立っていることを嬉しく思いました。
 今日も丁寧に磨き上げられたグラスたちは、きらきらと輝いていて、気持ちよさそうにお客様を待っています。いつも、そんな気持ちを忘れないで仕事をしていけたらいいなと思います。

(心斎橋店・A.S)

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